ことし11月、日本で初めて聴覚障害がある人たちの国際スポーツ大会、デフリンピックが開かれる。耳が聞こえない選手のために使われるのがこちらのスタートランプ。陸上のスタートの合図を光で知らせる機器で海外でも使われている。開発したのは都内のろう学校の教諭。開発にかけた思いを取材した。開発した竹見昌久さんは都内のろう学校の教諭で20年前から陸上部の指導をしている。スタートランプを開発するきっかけとなったのは指導していた女子生徒が涙ながらにこぼしたあることばだった。聞こえない選手のハンデをなくすために竹見さんは陸上競技の専用メーカーに協力を仰ぎ2012年にスタートランプを開発した。しかし大会関係者にはなかなか受け入れてもらえなかった。ランプの必要性を伝えようと竹見さんは国内外の国際大会に出向いて性能を売り込んだ。こうした熱意が実を結び開発から4年、国際大会で初めて採用され徐々に広がっていった。聞こえない選手たちにとって今やスタートランプは欠かせないものとなっている。スタートランプは各地で導入が始まっているが扱える人はまだ限られている。竹見さんは大会を開催する自治体などに向けて使い方を教える研修会を開いている。