海外製AIが世界を席巻する中で、国立情報学研究所の黒橋所長は「人間のパートナーとなるAIが海外製という状態になるのは日本の経済安全保障分野の面からも健全ではない」と警鐘を鳴らす。そんな中で、東京工業大学の横田理央教授はスーパーコンピューターを利用してAI技術を研究している。将来的には日本製のAIを生み出すのが目標だという。7月、理化学研究所計算科学研究センターを訪れた横田教授はスーパーコンピューター「富岳」を利用して日本製のAIを生み出す計画をスタートさせた。このプロジェクトには東京工業大学のほか、東北大や富士通なども参加している。オールジャパンでの開発となった計画だが、学習データの不足により文章生成ではトラブルが相次いだ。生成AIの開発にはあらゆるジャンルの知識と大規模言語モデル、そして大規模なデータセンターが必要だが、この点において国産AI生成は資金力で勝る米企業に大きく遅れを取っていた。状況を打開すべく、横田教授は自社で生成AIを開発しているサイバーエージェントに協力を依頼した。