地域と大学が連携する取り組みは東武東上線沿線のほかの大学でも行われている。東武東上線の森林公園駅に集まってきた大東文化大学の学生たちがJAから集めた埼玉県産の新鮮な野菜や果物を東京池袋まで届けている。この取り組みは3年前から大学や企業、自治体などが連携して行っている。参加するのは経営や食品ロスなどに関心がある学生たち。運搬には東武鉄道が協力し東上線の特急を使っている。森林公園駅での停車時間は4分。先頭部分に素早くケースを運び入れ出発。池袋まではおよそ50分で、東武東上線の区間のおよそ7割、50キロ余りを移動する。農地やベッドタウンを通り埼玉県境を越え、池袋駅に到着したのは午後6時前。学生たちは改札を出て慌ただしく開店の準備をはじめた。並べられたのは旬の食材のタケノコやイチゴ、タマネギ、ニンニクなどさまざまな野菜や果物。この日も仕事を終えた人などが列を作り次々と買い求めていた。学生たちは広報戦略にも力を入れている。SNSでその日の入荷状況を細かく伝えるほか役立つレシピも写真付きで紹介。沿線と学生がタッグを組んだこの取り組み、地域の魅力発信や課題解決につながっている。埼玉・朝霞から中継。池袋駅での野菜の販売は月曜、水曜、金曜に行われていて、ちょうどこの時間に販売が始まっている。また池袋駅で販売しきれなかった野菜は子ども食堂に無償で提供されており、食品ロス、この3年でおよそ66トンも減らすことができた。東洋大学朝霞キャンパス学食の新井美彩代表は大東文化大学の取り組みについて「とてもすばらしいこと。今後、私たちも子ども食堂や地域食材を使用したメニューコンテストを開催する予定。大学の閉鎖的なイメージを変え皆さんとつながっていく場所にしたい。また沿線には他大学もあるので一緒に地域を盛り上げたい。夏ごろには朝霞市の新鮮な野菜をふんだんに使用したメニューを販売する予定ぜひ楽しみにしていてほしい。」と話していた。