愛知県名古屋市にあるリニア・鉄道館は鉄道技術の進歩を楽しめる施設。そこにこの日、楽器を抱えた人たちが集まっていた。丹波の姿もあったがトランペットを持っている。これはJR東海の社員たちでつくる音楽クラブ。定期的に演奏会を開いている。丹波は中学時代に吹奏楽部でトランペットをしていたという。このクラブでは会長をつとめ全体の音にも気を配る。また社員に話しかけコミュニケーションをはかっていた。丹波がJR東海に入社したのは1989年。国鉄民営化から2年後のことだった。JRは7社にわかれ東海道新幹線という、ドル箱路線をもつJR東海は経営も盤石。新しい挑戦を必要としないおかたい鉄道会社になった。しかしコロナで根本的見直しに迫られた。これまで冒険してこなかった会社を丹波は重要と感じたのは社員一人一人の意識。そこで営業や事業担当者を集め意見を募った。するとせきを切ったようにアイディアがでてきたという。