松井証券・窪田さんは日経平均予想レンジを33,500円~35,000円とし、「きのうのNY市場は先週までの急落から落ち着きを取り戻し株価も戻りを試す展開となった。本日の東京市場では日銀の内田副総裁の金融経済懇談会での発言の機会があるためその内容に注目が集まりそうだが、基本的には戻る展開を予想している」と話した。また注目ポイントには「暴落で痛んだ個人投資家」と挙げ、「月曜日の株式市場の暴落は個人投資家の中でも特に信用取引を行っている方の投げ売りがきっかけとなった。信用評価損益の推移を示したグラフを見てみると、買い方の評価損益率がマイナス25.7%、東証グロース市場の評価損益率に至ってはマイナス42.7%と追加の入金か保有株の売却を迫られる追い代が多発するマイナス20%より大きく悪化しており、パニック売りが発生した。当日はトップ安となる銘柄も多く、保有する銘柄が売れなくなった投資家がヘッジ目的で先乗り売を出したことも下落の一因となった。信用買いもパニック売による一端がうかがえる。8月5日の安値はパニック売の結果の異常値であるため、しばらくは戻り安の展開を予想している。ただ、気がかりなのがアメリカ市場の動向。アメリカでは2022年7月以降約2年間続いた逆イールドカーブ状態が先日一時解消したが、過去の逆イールドの解消はリセッションの直前に起きており、多くの投資家はアメリカのリセッションに身構えている。AIの収益化がなかなか進まないため、アルファベットが第3四半期の設備投資を第1四半期とほぼ同額に据え置くと発表するなど企業の姿勢も慎重なものに変わってきた。そのためSOX指数なども下落トレンド入りしている。日経平均株価は半導体などのハイテク関連銘柄の基準が高いため、この影響を受け中期的には軟調な動きが続くと予想している」と話した。