東本町周辺は古くから町人の町として栄えてきた。このエリアが今年3月、小泉八雲の松江での愛称「へるん」にちなみ、「へるんロード」と名付けられた。まつえ東本町へるんロード代表理事・坂根正敏さんは八雲とセツが過ごした松江城周辺の地域を活性化させたいと考えている。案内してもらいながら、2人にまつわるエピソードを探す。交差点沿いに建つ古美術店は200年前から営業してきた。古美術店店主・松江節子さんは「八雲さんがここを往来して仕事に向かったと思う」とコメントした。この店では当時、たばこのキセルを扱っていた。八雲は宍道湖につながる大橋川沿いにあった富田旅館に泊まったという。松江市内の石材店では特産の「来待石」を使った灯籠などを手掛けている。八雲やセツ、怪談の場面の石像など12体をへるんロード沿いに設置する計画。石像彫刻家・坪内正史さんは「実際に本を読んだり、立体のイメージで怖さだけじゃなく、人間愛や親子愛とか夫婦愛とかを感じてもらいたい」とコメントした。坂根さんは町のシンボルにしたいと考えている。へるんロード沿いの飲食店でセツをイメージしたカクテルなども登場。石像の除幕式は9月を予定している。