和歌山・アドベンチャーワールドでは今年6月に4頭のパンダ全てが中国に返還された。日本で見られるパンダは上野動物園のシャオシャオ・レイレイのみ。その2頭も来年2月に中国への返還期限を迎える予定。日本からパンダがいなくなる可能性がある。一昨日もパンダを一目見ようと40分待ちの大行列だったという。国内のパンダが減る原因の一つにワシントン条約がある。原則的に商業目的の取り引きが禁止されているため、日本で飼育する場合は繁殖の研究目的などで中国から借り受けるしかなく、期限が来たら返還しなければならない。ワシントン条約で国際取引が禁止・制限されている動物は10年間で約1000種類増えている。日本動物園水族館協会・成島さんは「本来の生息地が生息に適さなくなった関係で野生動物が減っている。動物園の大きな目的として今まで動物園が培ってきた飼育・繁殖ノウハウを使って希少動物を増やして本来の生息に戻す」と話した。そうした希少動物の飼育に力を入れているのが神奈川・よこはま動物園ズーラシア。世界3大珍獣でコンゴに生息するオカピ。国際機関が指定する絶滅危惧種。国内飼育は2つの動物園のみで、園内には4頭のみ。輸入が難しく繁殖のハードルが高いことで飼育数が減っているが、ズーラシアでは去年10年ぶりに繁殖に成功。日本から姿を消すかもしれないのは海の生き物も同じ。Q.現在日本では2頭しか飼育されていない生物は?その動物を国内で唯一飼育しているのが三重・鳥羽水族館。ラッコのメイちゃん・キラちゃん。器用に立って歩いたり、キャッチボールをしたり、その愛らしい姿を目当てに大行列ができる。約30年前は全国28施設に122頭いたが、現在は鳥羽水族館の2頭のみに。また、オスがいないので繁殖は今現在はできない。乱獲や環境汚染の影響などで野生の個体数は減る一方で2000年に絶滅危惧種に。ワシントン条約の対象にもなっている。ラッコはアラスカなど寒い地域に生息し、飼育には高度な技術と知識が求められるという。鳥羽水族館では長く育てるため独自に工夫。その一つがイカミミジャンプ。どういう動きをしているか運動させながら見極めるという。鳥羽水族館では他にも絶滅の危機に瀕している動物を飼育。”人魚伝説のモデル”ジュゴン。飼育は世界で3か所。ジュゴンは温暖化や開発などで生息地を奪われ個体数が激減。セレナちゃんも生後半年頃に海外で保護され、こちらに引き取られた。セレナちゃんは現在約40歳。ジュゴンの飼育では世界最長記録。鳥羽水族館では飼育データを世界の研究機関や大学などに提供。自然界の生態調査に役立てられているという。
住所: 神奈川県横浜市旭区上白根町1175-1
URL: http://www2.zoorasia.org/
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