神奈川県横須賀市、壁の板は剥がれ落ち、窓ガラスは割れるなどボロボロ。廃虚となった平屋住宅が並ぶ団地に続々人が集まる。先月の見学会には約100人が訪れた。“天空の廃虚”と呼ばれており、人気の秘密の一つが眺望。海を一望できる小高い丘の上にある。また昭和の趣も人気。1960年に市営住宅として建てられた田浦月見台住宅だが5年前から住む人がいなくなった。しかし市と地元不動産が協力して空き家をリノベーションし、住宅兼店舗の賃貸物件として募集したところ希望者が殺到。すでに4割の入居が決まった。家賃の安さも魅力。入居を決めた渡辺三恵子さんはオンラインで焼き菓子を販売。店を持ちたかったが賃料が高く二の足を踏んでいた。入居する部屋は2DKで月8万円。渡辺さんは庭にベンチを置き自然を楽しめる古民家カフェにしたいと目を輝かせる。団地ではほかにも古着店やラーメン店を始めようとする人もいる。開発業者は「共用部に広場やサウナ施設を設置して昭和の団地を観光地化させたい」としている。