第一ライフ資産運用経済研究所・田中理の解説。最近のECB高官の発言を振り返ると最タカ派のシュナーベル理事だけでなく、中立派とされるリトアニア中銀・シムカス総裁、穏健タカ派とされるアイルランド中銀・マクルーフ総裁からも9月の利上げはもちろんのこと、その後の金融引き締めを続ける可能性を示唆するような発言が出てきている。今晩の理事会での利上げは確実。声明文の文言がどう変わるのか、ラガルド総裁の発言のトーン、物価見通しをどのくらい上方修正してくるのかというところに注目している。前回の7月の理事会は政策金利を据え置いたが、エネルギー価格の上昇が今後どの程度続くのか、二次的影響などを経済データを通じて点検していくと言っていた。4-6月期のユーロ圏の実質GDP成長率は2.6%と大幅に加速している。8月の消費者物価指数はエネルギーを中心に上昇圧力が強まり、前年比で3.3%で3年ぶりの高い伸びを記録している。最大のポイントはエネルギー価格が上がり、他の物価にどれだけどういうタイミングで波及していくか。今年はEUのガス貯蔵率が例年に比べて非常に低い。中東を中心としたガス供給が不十分なことや熱波により予想以上に冷房需要があった。イラン情勢の緊張が続き、冬場のガス需要期に向けてガス価格が上がってくると、より積極的な金融引き締めが必要になってくる。今後のECBの利上げ見通しについては他の物価への波及は確認できていないため、利上げペースを加速して連続利上げに踏み切る状況ではない。
