アメリカ・トランプ政権がロシアの2大石油会社「ロスネフチ」「ルクオイル」に対し強力な制裁を課した。アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは「ワシントンとヨーロッパがロシアへの圧力において足並みをそろえた」と伝えている。制裁の対象となったロシアの2大石油会社に、アメリカで保有する資産の凍結や取り引きの原則禁止が盛り込まれた。ニューヨーク原油市場でWTI先物価格は一時6%余上昇、約2週間ぶりの高値水準となった。アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは「EUもロシアからのLNGの購入を段階的に廃止する新たな制裁を決定した」と報道。プーチン大統領は「経済に本質的な影響を与えない」などと述べた(ロシアTV)。ウォール・ストリート・ジャーナルは専門家のヘリマ・クロフト氏が「アメリカがとった最も重要な一手だ」と指摘したと伝えている。イギリスのエネルギー研究機関によると、ロシアでは石油・ガスから得られる収入は歳入の3割を占め、石油関連の収入は85%、ガス関連は15%だという。プーチン政権はことし、法人税の税率を引き上げるなど国民への負担が強まっている。ベルギー・ブリュッセルで23日に開かれたEU首脳会議では凍結しているロシア中央銀行の資産をウクライナへの無利子の融資に活用する案を議論した。会議にはウクライナ・ゼレンスキー大統領も出席し、ウクライナでの兵器生産や欧米からの兵器購入に融資を活用したい考えを示した。しかし、EU加盟国は凍結資産活用の結論を先送りした。フランス・F2は凍結資産をロシアからの賠償金に見立てる肯定的意見と財産権の侵害にあたらないかを懸念する否定的意見を伝えている。
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