外遊中の岸田総理大臣は日本時間の夕方、ドイツ・ベルリンに到着した。まもなくショルツ首相と会談する予定で経済安全保障の強化が主なテーマになる見通し。岸田総理とショルツ首相の会談では経済安全保障をめぐり新たな協議体の創設で合意する見通し。背景には中国が特定の政策をのませようと不当な関税や輸出制限といった経済的威圧を強めていることがある。今回、議論される新たな協議の枠組みには両国の経済を所管する省庁が参加する。半導体や鉱物資源の確保などサプライチェーンの強化やAIをはじめとする重要新興技術の保護といった課題がテーマになるとみられている。ショルツ政権は去年7月には中国の経済的な依存度を段階的に引き下げる初の中国戦略を策定するなど中国から距離を取る政策を打ち出している。岸田総理としては、こうしたドイツの動きを歓迎し中国に依存しない強じんなサプライチェーンの構築で連携を深めたい考え。日本の総理大臣がドイツを訪問して行う首脳会談は7年ぶり。岸田総理としてはEUで中心的な位置を占めるドイツとの連携強化を進めることで、日本の経済安全保障の枠組みにヨーロッパの関与を深める狙いがある。