旧ソビエトのモルドバでは今月20日に大統領選挙と国民投票が行われた。モルドバの警察は24日、先月と今月の2か月間でロシアの銀行から3900万ドル、日本円にしておよそ59億円が送金され有権者の買収に使われたと発表した。買収を行ったのはロシアの影響下にある人物だとしている。警察は同じ人物が先月だけでも人口のおよそ5%にあたる13万人以上を買収したとしている。EU加盟の是非を問う国民投票について事前の世論調査では加盟賛成が過半数を占めていたが結果はEU加盟が上回ったもののその差は1ポイント未満という僅差だった。また、大統領選挙ではEU加盟を推進してきたサンドゥ大統領が過半数を獲得できずに決選投票にもつれ込むことになった。モルドバ政府はEU加盟を阻止したいロシアが大規模な買収や偽情報の拡散による選挙介入を行ったと批判を強めている。一方、ロシア側は介入を一切、否定している。モルドバ大統領選挙の決選投票は来月3日に行われ接戦が予想されるだけにモルドバ政府はロシアによる選挙介入に神経をとがらせている。