皿に盛り付けられた肉厚なカツオの刺身。次々と注文が入るカツオだが、今年は、その身の部分に“ある変化”が起きているという。普段よりも脂のりが良いという。その、のり具合について、お食事処長咲や亀井町店・増田雅代店長は「戻りガツオぐらいの脂はあると思います」と話し、まだ7月なのに、秋に水揚げされる戻りガツオのように脂のりが抜群だという。店の仕入先は、生鮮カツオの水揚げ量が27年連続日本一の宮城県気仙沼市。港では、たくさんのカツオが水揚げされていた。例年、この時期はさっぱりとした味わいの初ガツオのシーズンだが、今年は全く違うという。カツオ漁船の漁労長は「去年の秋の魚より美味しい。今までの常識じゃ、はかれない」と話す。専門家によると、東北沖の現在の漁場では“暖水塊”と呼ばれる巨大な渦を巻く海流が発生し、エサとなる小魚が集まっているという。今年のカツオは海水温が高いエリアにとどまって、エサをしっかりと食べたことで、戻りガツオのように脂がのったと考えられるという。