南海トラフ巨大地震に備え、太平洋側の沖合の海底で観測網の整備が進められていて、文部科学省によると想定震源域の東側では観測が行われているのに対して西側は空白になっているため、防災科学技術研究所が、高知県の沖合から日向灘にかけて、N−netと呼ばれる観測システムの整備を計画している。地震計と水圧計がセットになった36の観測点を海底ケーブルでつなぎ、総延長はおよそ1640キロにのぼる。半分の観測点の敷設を終えたことから防災科学技術研究所は来月から試験的な運用を始めることになった。このシステムで得られた地震や津波のデータは気象庁にも提供され、緊急地震速報や津波警報などの発表にも活用されることになっていて、周辺で地震が起きた場合、最大で地震を20秒、津波を20分、それぞれ早く検知できるようになるとしている。残りの半分の観測点は年度内に敷設する予定。