気象庁は線状降水帯の発生が予測された場合、県や地域に範囲を絞り込んで警戒を呼びかける新たな運用をことし5月27日に始めた。気象庁によると、きのうまでに延べ28の県や地域に発表されたが、発生したのは先月21日の鹿児島県と今月14日の長崎県のみで、的中率は7%と当初想定していたおよそ25%を大きく下回っているという。これについて気象庁の森隆志長官はきのうの会見で「的中率が低い状況が続くとオオカミ少年的に見られる。その結果、防災上マイナスの効果となるおそれもある」と述べた。また、的中率の低さについて、前線が予想よりも停滞しなかったり、降る雨の量を多く見積もったりしたことが影響した可能性があるとの見解を示した。一方で、予測した地域のうちの半数で3時間の雨量が100ミリを超え、大雨の危機感を伝える効果はあったとしたうえで、今後、予測の精度の向上に向けて検証を進めるとしている。