茨城県の南部にある稲敷市江戸崎地区で採れる「完熟かぼちゃ」について中継で伝えた。「江戸崎かぼちゃ」と呼ばれ国の地域ブランドにも認定されていて、贈答用として全国的に人気だという。江戸崎地区では20軒の農家が年間およそ270トン出荷していて今まさに収穫のピークを迎えている。江戸崎かぼちゃは1玉3000円ほどする。一般的なかぼちゃは早めに収穫して追熟させている。一方で江戸崎かぼちゃは畑で完全に熟してから収穫している。そうすることで糖度が一般的なかぼちゃに比べて高い。食べたときの食感も粉質感、ホクホクしているのが全国的に人気の理由。時はさかのぼること60年前、江戸崎地区に住むのんびりしたかぼちゃ農家で育てたかぼちゃをうっかり収穫するの忘れてしまい、完熟してしまった。もったいないし食べてもらおうということで売ったところ、買った人から、甘い、ホクホクと大絶賛だった。これが完熟収穫のきっかけとなった。ただ問題が1つあり、収穫時期をちょっとでも逃すと味が落ちてしまう。そこで江戸崎地区の農家7人で栽培を始めて5年かけて研究し、受粉から55日が最もホクホクしておいしいということが分かった。これは一般的なかぼちゃに比べて10日ほど遅いタイミング。畑に置く時間が長ければ長いほど腐敗したり病気になってしまうリスクというのが高まってしまう。それを防ぐための時間と手間がすごくかかるのでなかなか完熟収穫、難しいとされている。さらに肥料も研究して独自の割合で配合したものを開発した。このように生まれた江戸崎かぼちゃは2015年、国が地域のブランドとして保護する制度、地理的表示保護制度というのに認定されている。ただし、ただ熟成するのを待っていればいいというわけではない。味だけじゃなくて見た目の美しさというのにもこだわっている。農家の角田大輔は「お客様のハッピーな笑顔を意識しながらイメージして出荷している」とコメント。おいしい食べ方について聞かれると「かぼちゃ本来の味を楽しめるほくほく煮」と答えた。