海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」。紀伊半島の沖合約60キロの南海トラフ巨大地震の震源域で、去年111月ちきゅうは推進2650メートルの海底を掘削していた。掘った穴には海洋研究開発機構が開発した「光ファイバーひずみ計」。ゆっくりすべりと呼ばれる地震の一種を捉えることが期待される。通常の地震では、断層が高速ですべって揺れや津波を発生させる。ゆっくりすべりは、断層が数日から数年かけて動く現象で揺れや津波が起きないが、地震の前兆と考えられている。これを観測し、巨大地震の発生予測に繋げようという狙いがある。東日本大震災では前兆現象を捉えることができなかったが、その後は紀伊半島沖、四国沖の海底に観測網を構築してきた。光ファイバーひずみ計は今後、四国沖や宮崎沖にも設置する計画。現在、千葉県沖でもゆっくりすべりが発生している。