今年の台風で最も発達した台風18号がフィリピンや台湾を相次いで襲った。一時、猛烈な勢力となり、中心付近の最大瞬間風速は80m。住宅の倒壊や鉄骨の変形をもたらすレベルだという。台湾・花蓮県の山間部ではきのう午後、台風による大雨で水がせき止められてできていた湖が決壊し、下流の一帯に水や土砂が流出。防犯カメラの映像には濁流の中、柱にしがみつく女性が映っていた。地元メディアによると、この女性は後に助け出されたという。きのう午後8時時点で花蓮県では男性2人が死亡、30人が行方不明、そのほか周辺地域を含めあわせて28人が負傷している。フィリピンでは大木をもなぎ倒す暴風雨となり、住民1万人以上が避難を余儀なくされている。現在、非常に強い勢力の台風18号は今後、香港や中国南部に接近・上陸するとみられ、中国・広東省深セン市では40万人に避難を呼びかけている。弁護士・萩谷麻衣子は「台湾には台風休暇があり、それだけ台風に備えている地域だと思うが、それでも想定を超えるような状況になっている。人類が気候変動を止めなければ、将来の人類に対して我々が何を残せるのかという岐路に立っている」とコメントした。
