都内に住む森下晶代さんは、中学生と小学生の子どもと夫の4人家族。結婚後、土井という名字に変わったが仕事では旧姓・森下を使っている。森下さんはこの春、大手IT企業に転職した。ところが入社初日、旧姓・森下が使えないことがわかった。用意されていた社員証やメールアドレスは戸籍上の土井。森下さんは、あれ?となったのが最初で、これまずいよとなって、初日からトラブルだなと話す。この会社では在籍前に結婚している場合は旧姓が使えないルールになっていた。名前が変わると経歴や実績が失われる感覚があったという。 森下が使えない状況で、周囲とコミュニケーションを取る方法として考えたのが、下の名前で呼んでもらうこと。森下さんは「森下」が使えるよう会社にも働きかけた。一定の時間がかかったが旧姓の森下が会社で使えるようになった。採用担当者は、名前とキャリアが紐づいている事に気づいた、キャリア採用の方でも旧姓を使用できるようにかじを切った、と説明した。