新川さんも国際ロマンス詐欺の被害にあっている。2015年、イケメン44歳、米国陸軍所属でアフガニスタン駐在の男性からFacebookの友達申請であった。仲良くなり1日1通のやりとりをしていた。娘の写真や娘からのクリスマスカードを見せるなど話題は“子ども中心”であった。ある日、突然連絡が途絶える。1週間後、男性からメッセージ「親友が撃たれて入院した、忙しくて連絡が取れなかった、もうここにいるのは嫌だ」と届いた。新川さんは、「何か方法はないの？」と聞いたところ、男性は“婚約者”として上司に退役申請を出してほしいとした。退役するための違約金「100万円」必要で軍では自由になる金がない、帰国したら返すから貸してほしいとメッセージが届いたが新川さんは、「電話すらしたことない人に貸すことはできない」と返すと、男性は「そうだよね」と簡単にあきらめた。悩んだ末、新川さんは約100万円を送金した。さらに、交代の兵士にかかる旅費300万円が必要だと上司に言われ、結果的に半額の150万円を払い、計約250万円を支払った。送金後もしばらくやりとりが続くが、「タリバンに撃たれた」と送られてきた写真が顔だけ替えられたモノと気付いた。その後のやりとりで、男性は27歳のナイジェリア人と判明した。新川てるえさんは、2023年1月、国際ロマンス詐欺被害者救済のためのNPO法人を立ち上げた。
ロマンス詐欺＋投資詐欺の被害が相次いでいる。おととし12月、宮崎県都城市50代男性は、「純子」と名乗る人物とマッチングアプリで知り合う。男性は、投資話を持ちかけられて約300万円だまし取られた。はじめは、10万円程度の投資で数万円の利益が出ていて、お金を引き出すことも可能だったという。退職金が入ったこともあり、徐々に資金を増やしていったが、ある日引き出そうとすると、お金を引き出すために多額の手数料を要求されたため、男性は被害届を提出した。その後、「純子」と名乗る人物とは連絡が取れなくなり、最終的にあわせておよそ300万円をだまし取られた。純子と名乗る人物が送ってきた保険証の写真や乗っている高級車の写真を見て信じてしまったという。佐々木さんによるとロマンス詐欺は何気ない話をするため恋愛感情から投資話をする。新川さんは彼らはいろんなツールを使い、最近はディープフェイクで安心させるとした。
おととし5月、熊本市50代女性は、シンガポール出身のジョンソンと名乗る人物とビジネス向けSNSがきっかけで知り合う。好意を寄せ、結果的に約560万円だまし取られた。ジョンソンと名乗る男は、やり取りを始めて2週間後、投資の勉強を一緒にしようと持ちかける。暗号資産運用のアプリをダウンロードし、男に操作方法を教えてもらうと、画面に“利益”が表示された。女性は、指示に従い約200万円を振り込んでしまう。お金を引き出せず詐欺に気が付く。佐々木さんはこのような詐欺の特徴は巧妙でメディアで対策をしても越えてくるという。八代さんらは堂々巡りになってしまうなどと話した。