兵庫県・斎藤知事がパワハラの疑いなどで告発された問題。3年前の選挙で斎藤知事を推薦した日本維新の会は、きょう知事に対し辞職といわゆる出直し選挙を求める申し入れを行った。斎藤知事は「重く受け止める」とする一方、要求には応じない考えを示した。パワハラの疑いなどを告発する文書を巡り、先週、兵庫県議会・百条委員会では、斎藤知事に対する2回目の証人尋問が。斎藤知事は、文書を作成した元局長を懲戒処分にした対応については「問題はなかった」という認識を示している。きょう午後、日本維新の会が辞職といわゆる出直し選挙を求める申し入れを行った。日本維新の会・片山大介参院議員は「もう一度民意を問う努力をすべき。受け入れたもらえない場合、不信任(決議案)の考えだろうから、我々も考えていくことになる」と述べた。兵庫県庁の映像。兵庫県・斎藤知事がパワハラの疑いなどで告発された問題。3年前の知事選挙では、斎藤知事を推薦した自民党と日本維新の会。今回の問題を受けて、自民党は7月、兵庫県・末松県連会長が「知事には正しい決断をしてもらいたい」と発言。日本維新の会は、真相が解明されてから対応を判断するという姿勢を続けてきた。維新が今回方針転換した要因の一つと見られるのが、先月の大阪・箕面市長選挙。大阪府内の市長選挙で大阪維新の会の現職が初めて敗れた。きょうの辞職申し入れについて、日本維新の会・藤田幹事長は会見で「県政の停滞を招いていることは事実。“判断が遅いという批判は真正面から受けたい」と述べた。さらに党の共同代表を務める大阪府・吉村知事は、おととい斎藤知事と電話で会談したと明らかに。吉村共同代表は「特に結論は出なかった」と述べた。申し入れのあと、斎藤知事は記者団に対し、「真摯に重く受け止めなければならない。県政、県民にとって大事な予算、事業をやらせてもらうことが、果たすべきこと」と述べ、要求には応じない考えを重ねて示した。百条委員会、第三者委員会について言及。兵庫県・斎藤知事がパワハラの疑いなどで告発された問題。なぜここにきて、維新の会が斎藤知事に辞職の申し入れを行ったのか。状況が変わった要因の1つが、先月25日の大阪・箕面市の市長選挙での敗北。党の共同代表である大阪・吉村知事は「これが方針転換のきっかけになっているのは間違いない」と話している。次の衆議院選挙を見据え、斎藤知事をかばっているイメージがつくと、選挙に影響が出かねないという懸念もあったと見られる。兵庫県議会では、最大会派の自民党なども、今週中に辞職の申し入れを行う方針。知事が辞職を受け入れない場合、次の焦点は、不信任決議案になる。今月19日から開かれる定例議会に、不信任決議案を提出することが検討されていて、4分の3以上が賛成すると可決される。仮に可決されれば、知事は議会を解散するか、失職するかを選ばなければならない。今後も知事と各会派の攻防が続くものと見られる。