漢字について武田鉄矢が解説。人という字は支え合っていないと主張する学者の白川静は、白川文字学を確立している。白川静を独創的にしたのが甲骨文字の研究。中国に殷という王朝があり、その王様は占いで政治を動かしていた。占いは動物の骨、亀の甲羅や牛の肩甲骨に文字を書き、これを火で焼くとヒビが入り、その入ったヒビを結果とした。これが漢字の大元になったという。殷は周、秦、漢と滅ぼされ変わっていき、漢がそれまで伝わってた文字を整理して漢字と呼ぶようになった。100年前、河南省安陽にある遺跡から大量の亀の甲羅や牛の骨が見つかり、びっしり文字が書いてあった。見つかった記号は千数百字で、ここから800字は現在も使っている漢字の大元になっている。記号は象形文字が使われていた。王という文字は甲骨文字まで遡ると鉞で、鉞が王様の権威の象徴であったという。そこで白川静は3000年前の文字を調べようと亀の甲羅に書いてあった文字をノートに写した。しかしその年に満州事変が起こり、日中共同でやろうとしていた漢字の研究が途切れてしまう。その後白川静は1人で甲骨文字の研究を続けた。