都内のマンションに住む横田さんは、夫・7歳の娘の3人家族。横田さんは空間デザインや企画を手掛ける企業に勤めており、いまは仕事の多くを在宅でこなしている。その横田さんはきょうが来るのを楽しみに待っていた。横田さんが勤めている会社では先月から過去5年間で最大の上げ幅となる賃上げを実施した。夕方、横田さんが向かったのは書店。購入したのは3,000円ほどの子供向けの食育に関する本。本が大好きな小学校2年生の娘へのプレゼント。給料が上がったため子どもの教育などにかけるお金にゆとりができた。いま体操やフラダンスを習っているが、他にもチアダンスにも通いたいという。横田さんが勤めている乃村工藝社は「賃上げをしないと優秀な人材の流出は避けられない」という。町でも賃上げについて聞くと「4~5万くらい上がっている」などの声が。広がりつつある賃上げは消費に結びつくのか。都内にある百貨店では今月に入ってお弁当などの惣菜の売り上げが当初目標より41%増えているという。他にも涼を感じる夏限定の和菓子やケーキやマカロンなどの洋菓子の売り上げも好調で、菓子全体の売り上げも当初の目標比42%増加している。西武池袋本店では物価高による節約志向で去年の秋~今年の春にかけて売り上げが伸び悩んでいたが、想定以上の売り上げに賃上げが影響したと分析している。賃上げで消費に手応えを感じている店がある一方、町では「賃上げもなく消費を増やすことが難しい」という人も多くいた。実際にきょう発表された5月の全国スーパー売上高は1年前と比べ0.1%と小幅増加に。物価上昇の影響で15か月連続でプラスとなったが、節約志向が強まる中、買い上げ点数は減っているという。