先月29日、石川県珠洲市で美容室を営んでいた岸田孝子さんは断水が続く中、貯めた雨水を使って掃除を進めていた。美容室は倒壊し営業できなくなったが、県外の友人から道具を送ってもらい、被災者向けのカットサービスを始めようと決意した。ほぼ全域で断水が続く珠洲市で、再開に向けて手を差し伸べてくれたのは近くで温泉施設を営む男性である。100年以上歴史がある「珠洲温泉宝湯」は地震で施設は全壊したが、瓦礫の隙間から温泉が湧き出ているのを発見し、別館の浴槽に湯を通すことに成功したという。男性の息子や小学生から通っているという常連客が岸田さんの元へ訪れ、カットをしてもらった。地域による助け合いが復興に向けての第一歩となっている。