日本赤十字社医療センターの大野さんは1月5日から7日まで現地に入られたそうで「私は4日から被災地の珠洲のほうへ行った。避難所と現地調査の任務があった。そこで聞いた話や声は、まず避難所で診療所もしていたが、そこに来てくださる方の手の爪のなかに泥が入っているとか、着の身着のまま逃げてきたという状態がよく分かるなかで、何を私達がすべきかということを考えた。自分の気持ちに言葉にするのは今は出来ないだろうなと思った。チームで行ったが全員がなにかしたい、寄り添いたいという気持ちをもってスタートした。」などと話した。被災者の心の反応の変化については「急性期から反応期に入るかもしれないという状況だったが、急性期のフェーズだったとしたときにこの時点から心のケアはスタートしなければならない状態だった。医療センターでは心のケアありきで救護活動をしていた。反応期は不安や恐怖から怒りの感情が出てくる方もいる。やり場のない怒りの声の裏には辛さやいろんな感情がある。もしそういう状態の方がいればまずは話を聞くことが大切になる。被災者の接し方は単純に耳を傾ける、ひとつの手段にこだわらないなど。被災者に接するポイントは共感的に傾聴する。同じ目線か下からお話する。私達は医療と並行することが多かったので手を使う。そうすると体に触れることが多く、体からのアプローチは声を聴かせていただくのに役立った。手を触る、背中を擦ることも価値のあることだと思っている。」などと話した。