小学生から高校生まで多数の応募がある読書感想文の全国コンクールで、今年度、AIが生成した文章を不適切に引用するなどした応募作品が少なくとも10以上あり、応募要項違反で、審査の対象から除外となっていたことが分かった。全国学校図書館協議会によると、今年度はおよそ260万の応募があったという。学校側が地区の選考会に推薦する作品を選ぶ段階で本人以外が書いたと思われる作品が複数見つかり、このうち本人が「生成AIを使った」と認めたものが10以上あったという。協議会はAIの悪用の懸念などから、今年度から、コンクールの応募要項に「盗作や不適切な引用等があった場合、審査対象外になることがある」とする規定を設け、これらの作品は、審査の対象外となった。生成AIの活用は、文章の校正に利用したり、アイディアを深めたりなど、教育的な効果も期待されていて、協議会ではAIの文章をそのまま使うなど、不適切な使い方は認められないが、実際にそうした使い方をしているのはほんの一部だと考えている。AIの使用が全面的にだめだというわけではなく、自分の言葉で書くという読書感想文の本質を担保したままどのような活用が可能なのかも今後は検討していきたいとしている。