旧統一教会・田中富広会長は会見を開き、2020年からつとめてきた会長の辞任を発表した。そして辞任理由ついては「継続して社会をおさわがせしてきたこと、今なお被害を訴える方々がいることに対する道義的な立場から。」などと説明し、謝罪の言葉を口にし約5秒間頭を下げた。教祖・文鮮明氏が韓国で創立し、1964年からは日本でも活動を始めた旧統一教会。教団の決めた相手と結婚する「合同結婚式」などがかつて社会問題となり、3年半前、再び教団の問題が浮き彫りになった。安倍元首相銃撃事件で山上被告が口にしたのは教団への恨みだった。取り立たされた高額献金などの問題。教団存続は大きく揺らぎ、今年3月、東京地裁から下されたのは「解散命令」。教団側は即時抗告し東京高裁が年度内にも判断を示す可能性がある。きょう辞任を発表した田中会長は辞任の理由について(1)社会を騒がせ今も被害を訴えている人がいること、(2)解散命令巡る東京高裁の審理が終結すること、(3)次世代にバトンを渡すことが組織にとって最良だと説明した。一昨年、田中会長は謝罪について「被害者が特定されて初めて“謝罪”という言葉が使われるものだと思う。明確に“謝罪”には距離を置かなければいけないと考えている。」と発言し、謝罪ではなく“お詫び”と強調していた。今回の“謝罪”発言について記者に問われると「謝罪の意を込めたおわびはさせたいただいたと理解いただきたい」とした一方で「謝罪だからすべての罪を認めたとかざっくり受け取られると困る」とも述べた。後任には元副会長の堀正一氏が就任するという。
