石川県白山市に金沢大学名誉教授・太田富久の研究所がある。ここで日夜取り組んでいるのが水の浄化剤の研究。きっかけは3年前、太田の研究業績に注目したガーナ政府から汚染された水を浄化してほしいと要望があったこと。太田が2年かけて開発した浄化剤。水銀などの重金属が含まれた泥水をどう浄化するのかについて解説。去年、日本とガーナで安全性と効果が認められた。3月にはガーナを訪れ、現地での生産を進めようとしている。この浄化剤の元になった研究が、15年前の福島第一原発の事故で汚染された土の除染。当時、太田は建設会社などと共同研究を進め、実用化目前までたどりついた。ところが、政府は汚染された土の一部保管を決定。太田の研究成果は生かされなかった。太田は今、浄化剤のさらなる改良に取り組んでいる。ニンジンの皮に含まれる成分の大きな可能性を見出した。環境への負荷がより少ない浄化剤になると考えた。海藻など、さまざまな食品で実験を繰り返す。最後に残った課題は量産化のためのコスト削減。食品の加工会社では食べられない部分は費用をかけて廃棄してきた。太田は廃棄される予定のニンジンを無償で譲り受けることになった。太田が「私はあくまで研究者なので、お金は関係なく人の役に立ちたい」などとコメントした。3月にガーナに渡航する太田は浄化剤の生産工場を整備するとともに、現地の人たちと一緒にさらなる改良を進めたいと考えているという。
