- 出演者
- 桑子真帆 田中洋子
オープニング映像。
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- 東京商工リサーチ
正社員とパートの間にあるのが“短時間正社員”。正社員のように期間に定めがない無期雇用だが、勤務時間は短時間。安定した給与と福利厚生も得られる。医療介護・スーパー・運送・自治体などで導入され始めている。訪問看護の事業所で働く奥島さんは週4日勤務の正社員。こうした仕組みを導入したのには事業者側の看護師の離職を食い止めたいという考えがあった。この会社で働く社員は増え続け、設立時の5人から113人に。その4割が短時間正社員。短時間正社員という働き方を従業員の意欲向上につなげようという企業も出てきている。
日本と海外の労働政策に詳しい筑波大学の田中洋子名誉教授をスタジオに迎えた。去年、ある人材サービス会社が行った働く意欲のある主婦を対象にしたアンケートでは短時間正社員で働きたいかという質問に対して65.9%が「働いてみたい」と答えた。一方、厚生労働省の調査ではこの制度を導入している事業所は15.9%にとどまっている。
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働きたい主婦を主な対象として就職先の紹介を行っている会社では、主婦たちのニーズに応えるため、さまざまな企業に短時間正社員としての採用を提案している。企業側に意見を聞くと、導入することへのさまざまな不安があるという。
制度導入に至っては「ルールの見直し」「人件費アップ」「社員間の不和」といった壁がある。田中名誉教授によれば、制度を導入した企業からは導入してよかったという声が聞かれるという。
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家具などのインテリアを扱うスウェーデン発祥の大手小売チェーンでは、2014年に非正規を廃止。全員を短時間正社員にした。人事制度の見直しを行い、給与アップや福利厚生などの人件費は増えることになった。しかし、会社が成長するには欠かせない経営判断だったという。この会社では全員が正社員としてさまざまな研修や訓練でスキルアップし、新事業にもスピーディーに対応することができた。その結果、正社員化からの10年、世界経済が落ち込んだコロナ禍を経ても売上高が順調に伸びている。
田中名誉教授は「日本企業の経営課題を解決したケースとして、やる気があれば変えられるという事例なのではないか」などとコメント。ドイツでは2001年にパート法が成立。どんな人でも正社員として短時間勤務を選択できる権利を保障する制度。これにより、ドイツで働く人の約4割が短時間正社員となったという。
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