芥川龍之介が所蔵していたフランスの小説の本にオオマツヨイグサの押し花が挟まれているのが見つかった。花には恋心をあらわす花言葉があり専門家は初恋の女性とのやりとりの中でこの花を挟んだ可能性もあるとみている。アナトール・フランスの恋愛小説「赤い百合」の英訳版に挟まれていた。マツヨイグサの花言葉が“ほのかな恋”で小説の中で主人公の恋愛が成就し「I love you!」と叫ぶ場面に挟まれていた。押し花の台紙には1914年7月12日と記されていて当時芥川は22歳で初恋の女性との手紙でもこの本について言及していて女性に本を貸した可能性もあるとみている。この女性とは家族の反対で結ばれずのちに「羅生門」で描かれるエゴイズムにつながったといわれている。日本近代文学館の芥川龍之介展で6月8日まで展示される。