政治部の潮悠馬記者に聞く。与党が過半数割れとなる中で政府与党は政権運営をどう進めるのか。基本的には野党の協力がなければ予算案や法案は成立せず、自民・公明両党は野党の協力を取りつけながら政策を実現していくことになる。その相手として最も重視しているのが国民民主党。3党は新たな経済対策を巡り政策責任者同士の協議を始めている。ある政権幹部は「手取りを増やすと主張する国民民主党と物価上昇を上回る賃上げを掲げる自民党は目指す方向性は同じだ」と話している。ただ、国民民主党が強く求めるいわゆる年収103万円の壁の見直しを行えば税収減が見込まれることもあり、協議が円滑に進むかは現時点では見通せない。石破総理の政権運営には党側との連携が欠かせないことは間違いない。一方、野党第1党の立憲民主党はどう対応していくのか。立憲民主党は他の野党と連携し、政治資金規正法の再改正を求めるなど政治とカネの問題を中心に攻勢を強める構え。17ある衆議院の常任委員長は予算委員会など野党側に配分される数が選挙前の2つから7つに増えることになる。それだけに「国会運営は野党ペースで進めやすくなる」と話すベテラン議員もいる。ただ、国民民主党は政策ごとに是々非々の対応を取るとしている他、執行部が交代する日本維新の会は今後の出方が不透明。国会論戦などで野党がどこまで結束できるかも今後の政治情勢に大きく影響することになりそう。