気候変動や貧困などの課題の解決を目指すSDGsの広がりを背景に、社会課題の解決にいかに取り組んでいるかを軸に活動する学生が今増えている。それに合わせて企業側も意識が変わってきている。横浜市西区で開かれた合同企業説明会「サステナブル企業説明会」。インフラ関連企業や脱炭素に取り組む企業など中小企業を中心に20社以上が参加した。今、就職活動をする際の企業選びの軸として“SDGs”や“社会課題解決”への取り組みを重視する学生が増えている。説明会に参加した1人、川崎市に住む大学3年生の渡辺星空さん。幼いころから地元の自然の中で遊んだり、スポーツをしたりして過ごしてきた渡辺さん。小学6年生だった2015年には国連でSDGsが採択された。渡辺さんも授業で学ぶなど環境問題を身近に感じてきた。大学でも募集があった環境分野のプロジェクトに参加。国際環境の企画展にも運営者として携わった。こうした活動を通じて自分が社会に出たあとも環境問題に深く関われる企業で働きたいという思いが強くなった。渡辺さんは環境分野に関わる企業のインターンシップにも参加している。渡辺さんが訪れたのは産業廃棄物の収集運搬や中間処理を行う会社。CO2の削減に取り組んでいる。社会課題の解決に取り組みたい、そういった意識を持つ学生が増えていることから会社では、この日もインターンで行っていた職場体験などを省略。社会課題について議論するなど、今年から“SDGs”を前面に押し出す形を採用している。学生と企業の双方が真剣に意識するSDGs。そこに目をつけたのが神奈川県。今の学生がSDGsに強い関心を持っていることを感じる中、マッチする企業と出会える場を設けることが重要と考え「サステナブル企業説明会」を企画した。“持続可能性”に焦点を当てた行政主催の説明会は全国で初めて。この日、さまざまな企業を見て回った渡辺さん。自分の仕事がいかに環境や社会への貢献につながるかを軸に就職活動を続けていきたいと話す。