日本の為替政策の新指揮官、財務省の三村淳財務官にインタビュー。三村氏は、平成元年に旧大蔵省に入省し、在フランス日本大使館での勤務や国際局長を経て7月末に財務官に就任した。前任は“令和のミスター円”とも呼ばれた神田前財務官。3年間の在任期間中に24兆円規模の市場介入を指揮した。市場介入へのスタンスについて、三村新財務官は「市場介入の考え方は、属人的に変わるものではない。G7やG20で合意された共通の考え方でやっていく」とし、投機的な要因で変動が大きくなって経済に悪影響がある場合に対応するということで、前任者と同じ考え。ほかにも「為替の変動を大きくした『円キャリートレード』は基本的には解消された。ボラティリティ(変動の度合い)が大きくならないよう、市場の動きを絶えず見ている」とする一方、「メディアや市場とのコミュニケーションの取り方は人によっていろいろある」としていて、情報の発信のしかたはこれまでとは変わってくるのかもしれない。円相場は日米の金融政策の方向性の違いから、変動しやすい状況が続いている。新しい指揮官の手腕が問われる。