ピラミッド透視計画に参加するもう1つのチームが、2016年8月、エジプトにやって来た。名古屋大とは対照的なベテランで、高エネルギー加速器研究機構チーム。リーダーは、日本を代表する物理学者・高崎史彦さん。高エネ研は、名古屋大とは違う方式でミューオンをとらえる。フィルムの代わりに用いるのは、素粒子が当たると発光するシンチレーターと呼ばれる特殊な素材。この素材が発する光を解析することで、ミューオンをとらえ透視する。同様の装置が福島第一原発の廃炉計画でも、原子炉内部を透視するために用いられているが、高エネ研の装置には総重量400キロという厄介な問題が。これをピラミッドの奥深くにまで運び込まなければならない。難しい仕事を引き受けたのは、はちきれんばかりの筋肉を持つエジプト屈指の怪力男たち。目指すはピラミッドの中心部にある女王の間。丸2日かけてなんとか運び込んだ。高エネ研の透視装置が動き始めた。この透視装置と、あちこちに設置された合計1000枚に及ぶ名古屋大の透視フィルムで大ピラミッド内部を徹底的に透視し秘密の部屋を見つけ出す作戦。数か月にわたってピラミッドに降り注ぐミューオンを観測し続ける。
住所: 福島県双葉郡大熊町大字夫沢字北原22
URL: http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2014/2014-j.html
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