地震発生時、請戸小学校では82人の児童がいたが全員が避難して無事で「奇跡の学校」と言われている。今は県内唯一の震災遺構として津波の恐怖や教訓を伝えている。福島県は地震や津波に加え、原発事故という複合災害で日常が奪われた被災地である。6キロ南には福島第一原発がある。 東京電力は去年8月、処理水の海洋放出を始めた。これにはIAEAが「科学的に安全」との評価を示している。一方で、先月には汚染水を含む水が漏れるなどトラブルが相次いでいる。また溶けた核燃料と構造物が混じった燃料デブリの試験的な取り出しを第一原発2号機で行う予定だが3度目の延期が決まるなど、廃炉への道は決して順調ではない。原発事故で汚染され許可がなくては立ち入ることが出来ない帰還困難区域が2.2%今も残っている。国はその中に特定期間居住区域を設定し、除染などを行い、希望する住民が帰れるようにするとしている。しかし期限は2020年代と長い時間がかかる見通しである。13年の月日が経っても福島の復興はまだ道半ばである。