国債の買い入れの減額を決めた日銀について。先週の決定会合では減額する方針を決め、具体的な減額の規模やペースを決めるのは来月の会合に持ち越しとなった。今回の会合で規模も決めるとみていた市場関係者は、肩透かしを食らった形になる。予想以上に日銀は慎重だという受け止めから発表後は円が売られて、円相場は一時1ドル=158円台前半まで値下がりした。日銀は、発行された国債の半分以上を保有し金利に与える影響は大きいものがあるため、慎重に臨んだとみられる。次回の決定会合は7月末。焦点は今は月間6兆円程度となっている国債の買い入れ額をどのくらい減らすか。そして、追加の利上げがあるかどうか。これについては専門家の見方が分かれている。野村総合研究所・木内登英エグゼクティブエコノミストは「国債買い入れの減額計画と同じタイミングでの追加利上げは控える可能性がある。利上げは最短で9月の決定会合とみている」とし、7月の利上げはないという考え方。一方で第一生命経済研究所・熊野英生首席エコノミストは、7月の可能性もあるとみており「日銀の今回の決定は過剰な弱腰で市場は円安に反応した。円安の加速で政府からの緩和修正の要請も強まるだろう」とコメント。円安については日銀の発表後に1円以上、上げ下げした。来月の会合に向けては、日銀は市場とのコミュニケーションの取り方も重要になる。