きのう全国172地点で30℃以上の真夏日を観測。都心でも29℃まで上がり、街では「梅雨が遅い」との声が聞かれた。東京では例年の梅雨入りを5日過ぎている他、今年は全国的に遅れている。向かったのは岩手・花巻市にある豊沢ダム。貯水量は2335万6000立方メートル。下流域4200ヘクタール(東京ドーム約900個分)の農地に水を供給している。地元農家にとって生命線と言われるダムだが、きのう時点で貯水量は20%。地面が干上がっている状態に。豊沢川土地改良区業務課・高橋課長は「例年であれば土がみえてるところも水が溜まっている状況」と話す。豊沢ダムでは1973年に記録的渇水を経験したが、今年は1973年を下回る貯水率になっている。渇水の原因は暖冬で雪があまり振らず雪解け水が少なかったことに加え、4月の降雨が少なかったことも関係している。花巻市がある東北北部の梅雨入りは平年6月15日頃。ただ、まとまった雨が続くのは先のようだ。豊沢ダムの水を利用し米を育てている畠山さんの田んぼ。本来ならば水田となっている時期だが、一部が干上がり生育に影響を与えているという。「どういうふうに管理すればいいのか判断に迷っているところ。もしかしたら収穫の秋には一反歩あたり50~60キロは少なくなるだろう」と話した。過去には梅雨入りが遅くても総雨量は変わらず短期間で多くの雨が降った年もあった。2007年、平年より8日遅い梅雨入りとなった静岡県では、台風の影響もあり、3日間で400ミリ以上の降水量を記録。家中の浸水被害や車や自転車はほとんど水に浸かっていた。平年より7日遅い梅雨入りだった2021年の神奈川・箱根町。72時間で783.5ミリを観測し、河川が増水・濁流となっていた。遅い梅雨入りであっても災害発生の恐れはあるので備えが必要。最初の梅雨入り候補とすれば土日だが、週明けの晴れを待ってという可能性が高いと思われ、来週の半ばの水曜日・木曜日ぐらいに梅雨入りする可能性が高いと見ている。梅雨入りが遅れている原因は梅雨前線がなかなか上がってこないため。梅雨前線は夏の空気の最前線。来週以降は夏の高気圧が一気に強まり梅雨前線を押し上げる。夏の空気が強まると南から湿った空気を送り込むような役割をするので雨雲が発達しやすくなる。梅雨入り後は大雨に注意が必要。