大手企業の健康保険組合。従業員とその家族約1万人が加入しているが、今年度は1億円以上の赤字が見込まれている。赤字の大きな要因は高齢者医療の拠出金。健康保険組合は従業員と企業が支払う保険料で加入者の医療費をまかなう組織。一方で高齢者を支える役割も担っていて、その拠出金が増加し、財政を圧迫している。この組合で見込まれている1人あたりの保険料の平均は47万5000円、9年前と比べると6万2000円増えている。保険料の負担をこれ以上増やさないために取り組んでいるのが、従業員の生活習慣病の予防。健康診断で糖尿病リスクが指摘された場合、血糖値を24時間測定し、食生活の改善を促し、医療費を抑えようとしている。今年、 団塊の世代が全員75歳以上となり、高齢者への拠出金は今後も増える見込み。