日銀は昨日展望レポートを公表した。経済成長率の見通しに概ね変更がなかった一方で物価の見通しを上方修正した。今年度の消費者物価の上昇率は生鮮食品を除いて2.7%。前回の見通しより0.5ポイント上がっている。食料品価格の高止まりを反映させたとみられる。来年度と再来年度の引き上げ幅は0.1ポイントとなった。食料品価格上昇の影響が次第に減っていくと考えていることと、経済の成長ペースが鈍って物価が伸び悩むとみていることが背景にある。ただ賃金と物価が緩やかに上昇するメカニズムは維持されるとして、2%の物価安定目標の達成時期は「来年度の後半以降」という見方を維持した。また関税の日米合意に対しては「前向きな動き」と一定の評価をしつつも、経済・物価の不確実性は「高い状況が続いている」とした。経済の見通しは今年度と来年度は「下振れリスクのほうが大きい」と指摘している。昨日の会合後に植田総裁は「不確実性は低下したがある程度の高関税がかけられることは確定的で影響がどこにどう出るかは分からない」などと話した。