EV・電気自動車などに使うパワー半導体の性能向上を担う次世代素材について、レゾナック・ホールディングスは約300億円を投じ、2027年から増産する。パワー半導体をめぐっては、炭素とシリコンを結合した炭化ケイ素を使った基盤の需要が強くなっている。この素材を使ったパワー半導体は、電力の変換効率が高まることからEVやデータセンターの省エネにつながるとされていて、今後も市場の拡大が続く見通し。ただ、この分野で日本勢は投資競争で出遅れているのが現状。日本の半導体メーカーでも、海外依存が9割を超えている。こうした中、経済産業省が最大103億円を補助しレゾナックは山形県の工場などで生産ラインを新設する予定。パワー半導体メーカーのロームも、来年1月から宮崎県の工場で自社の半導体用の基盤を量産する。(日経電子版)