政府の経済財政諮問会議で内閣府が示した試算によると、2060年度には高齢化率が38%まで高まり、この間、医療や介護の費用は増加し続けると見込まれる。経済成長率が物価の変動を除いた実質で、年率0.2%程度にとどまった場合は、医療や介護の歳出改革を行っても、財政の健全性を示す指標である「基礎的財政収支」は赤字が拡大していく見通し。一方、1.2%程度の成長率が続くケースでは、税収が伸びることから歳出改革を進めれば「基礎的財政収支」の黒字が見込まれる。1.7%程度まで上昇すると国債などの発行残高の経済規模に対する比率も安定的に低下するとしている。内閣府は財政の安定に向けて、歳出改革を徹底することや、女性や高齢者の労働参加や企業の生産性向上によって成長率が1%を上回るよう引き上げることが重要だとして、今後3年程度で集中して取り組む必要があるとしている。