選抜高校野球で高崎健康福祉大高崎高校が優勝した。学校として初の全国の頂点。群馬県勢として初の選抜の頂点。青柳博文監督は22年前、健大高崎高校公式野球部の創部とともに監督になった。青柳監督は県内の伝統校・前橋商業で甲子園に出場し、大学社会人でも野球を続けた。引退後、建設会社で働いていたところに女子校の共学化に伴い打診を受け、就任した。しかし待っていたのは厳しい現実だった。専用のグラウンドはなく部員のうち野球経験者は4人だけだった。総部3年目の2004年、青柳監督は県立高校出身で、夏の県大会で決勝まで経験した生方啓介さんと出会う。以来、二人三脚となり、生方さんはコーチ、部長を務める。2人が出会ってから3年目の秋、県大会で準優勝し初めて関東大会に出場。これを機に専用グラウンドができ、環境が整備されたことで有望な中学生が県内外から集まってくるようになった。生きてきたのが青柳監督のサラリーマン経験だった。コーチの分業制を取り入れた。機動破壊を建大高崎のキーワードにした。