漢方薬の効果に腸内細菌が関わっていることがわかってきた。胆管がんになると胆汁が肝臓に蓄積して黄疸になり肝臓の機能が行われる。黄疸の改善に茵蔯蒿湯が使われるが、胆汁の流れが良くならない患者もいる。外科医の横山博士は効果に違いがでる謎を解く鍵として腸内細菌に注目した。茵蔯蒿湯にはインチンコウ、ダイオウ、サンシシが含まれ肝臓に最も作用するのはサンシシに含まれるジェニポシドという物質。ジェニポシドを含んだ漢方薬が腸の中に入ると腸内細菌が集まり、漢方薬を分解する酵素を出す。酵素にジェニポシドが近づくと黄疸を改善する薬効成分ジェニピンという物質に変化する。横山博士は腸内細菌が漢方薬の効果を引き出している、よくない腸内環境だとジェニピンをうまく作れないとした。