厚生労働省が飲酒ガイドライン案を発表した。生活習慣病のリスクを高める飲酒量として、男性は1日あたり40g以上、女性は20g以上のアルコール摂取をあげている。アルコール20gとは、ビールでいうと中瓶1本・ロング缶1本、日本酒で1合、焼酎でグラス2分の1、ワインでグラス2杯弱、ウイスキーでダブル1杯が目安だ。アルコールのグラム数については、缶の表記にしっかりと何gか記載があるという。女性と男性に差があるのは、女性は男性と比べて体内の水分量が少なく分解できるアルコール量も少ないことや、またエストロゲンなどの働きにより影響を受けやすいということなどが理由にある。また高齢者も若い時より酔いやすく、認知症の発症が高まるという。一方で20代の方は多量飲酒により脳の機能が落ちるということもデータで発表されている。疾病リスクに関して、女性は少しでも飲酒すると脳卒中のリスクが高まり、男性は少しの飲酒で食道がんや胃がんのリスクが高まる。健康に配慮した飲酒の方法として、飲酒前や飲酒中に食事を取り血中アルコール濃度を挙げにくくする、アルコールをゆっくり分解・吸収できるよう飲酒の合間に水を飲む、1週間のうち飲酒しない日を設ける、眠りが浅くなるので不眠解消のための飲酒を避ける、予め量を決めて飲酒するなどがある。このガイドラインについて伊藤博道院長は「厳しいと思われるが良い指針。まずは上限を超えないよう意識することが大事。上限を上回ってしまった場合は続かないよう気をつける」とした。