蚕の繭の産地として知られる埼玉・秩父地方で、ことし最初の繭が出荷された。2軒の養蚕農家が春の時期に育てた蚕の繭をJAの施設に運んだ。JAの職員などが汚れがあるものや形の悪いものを取り除き、出荷用の袋に詰めていった。きょう運び込まれた繭は160キロほどで、このあと長野県の製糸工場に出荷される。秩父地方では江戸時代から養蚕が盛んでかつて多くの農家があったが、今は2軒まで減っている。養蚕農家・瀬能紀夫さんは「春繭は状態よく、いい繭がとれて豊作」、JAちちぶ養蚕部会・久米悠平部会長は「無事出荷できてほっとしている。伝統産業として残っていく方向につながればいい」と語った。秩父地方での繭の出荷は、夏から秋にかけあと3回行われる予定。