財務大臣の諮問機関、財政制度等審議会は、来年度予算案の編成に向けた建議を取りまとめ、加藤財務大臣に提出した。建議では、日本経済の現状について、もはやコロナ禍ではないという一文から始まり、新たなステージに向けて移行しているという認識を示した。その理由として、個人消費は力強い回復には至っていないものの、企業収益は歴史的な高水準で推移していることや、賃金の上昇などを反映したより基調的な物価上昇に変化しつつあることを挙げている。その上で、ほかの先進国と同様に、歳出構造の平時化に取り組む必要があり、財政健全化の指標、プライマリーバランス基礎的財政収支を、来年度に黒字化する目標の達成するだけでなく、経済再生と財政健全化の両立を前進させる必要があると提言した。政府の新たな経済対策が財政に与える影響にも言及し、国民の理解の醸成と、議論の喚起が重要だとしている。