次の視点は作者の赤塚不二夫。1935年に生まれた赤塚不二夫は戦争を経験し苛烈に生き抜いた過去がある。バカボンのパパの決め台詞「これでいいのだ!」が誕生したのは連載開始から1年後だ。赤塚不二夫は満州生まれということもあり、スタッフも満州や中国大陸育ちが多かったという。1945年に日本が敗戦したことで赤塚不二夫の家族の運命は一変する。父はシベリアに抑留され、赤塚不二夫と家族は終戦後に帰国するまで10ヶ月を要したという。こうした経験から赤塚不二夫は悲劇を描くんではなく、喜劇を描こうとしたのではと伝えた。