能登半島地震の影響で大きな被害を受けた伝統産業「輪島塗」だが、その塗師屋である塩士さんは復興を目指すと語った。塩士さんは奥さんとともに輪島市で自宅と兼ねた工房を営んでいたが、地震により建物の倒壊は免れたものの、工房内の商品などに大きな被害を受けた。待っているお客さんのために一刻も早く復活させたいと考える塩士さんだが、分業体制で行ってきた輪島塗の生産という壁が立ちはだかる。現在組合に属する事業所のほとんどが被災。地元を離れている人も少なくないのだという。なんとか生産再開を糸口をと、塩士さんは石川県内の別の漆器の生産地に赴いた。展示会出品のための見本品の作成を依頼するためだという。塩士さんは「現場から離れたらだめ、できるかぎりやり続けなくては」とし話した。