「能登とともに。」という思いから、去年の能登半島地震、そして豪雨災害からの復興を支援するべく、石川県での開催が決まった。ZIP!は、日本代表の“左のエース”西田有志に話を聞くと、「復興だったりとか、まだ進んでいないっていうのは知っていますし、皆さんに少しでも元気になっていただけたらと思います。スポーツだけで元気になるかって言われたら、そういうわけではないかもしれないけど、1つのきっかけになることには間違いないと思います」と語った。そんな思いから選手たちが試合前に行ったのが、地元・石川の子供たちおよそ60人とのバレーボール教室。子供たちは、選手たちから直接アドバイスを受けて目を輝かせていた。能登半島北部にある輪島中学校の女子バレーボール部員たちは「めっちゃ楽しかったし、レシーブとかサーブとかアタックのやり方とかが、めっちゃ勉強になりました。輪島中学校の女子バレーボール部の選手たちは全員が1年生で、バレーボールを始めたのも入学してからだという。輪島中学校は輪島市内で最も収容人数が多い指定避難所だったため、体育館で練習ができたのは9月からだったという。大変な状況の中でも練習を続けてきた輪島中学校の女子バレー部。そんな生徒たちの練習着の背中には「心はひとつ」という言葉が書かれていた。バレーボール部員たちは「みんなで協力して、心をひとつにして練習とかを頑張れば、何事もうまくいくよという気持ちになります」と話し、子供たちは復興へ前を向く。地元・石川県出身の波佐間泰平(27歳、VC長野トライデンツ)は「子供たちがバレーボールを楽しんでいる姿を見ると、自分たちもすごく元気がもらえる。1日でも早く復興してもらえると笑顔が増えていくと思うので、復興が進んでほしい」と話す。男子のオールスターゲームがスタートすると、国内トップの選手たちが見せるスーパープレーに会場も大興奮。そのコートの脇には、取材に答えてくれた輪島中学校の生徒たちの姿があった。実は、コートに落ちた汗などを拭く「モッパー」と呼ばれる係を地元の生徒たちが任されていた。すると、西田有志がサプライズで輪島中学校の生徒にサーブの権利をプレゼント。そして生徒の見事なサービースエースに、会場からは大きな拍手。「能登とともに。」という思いを込めたSVリーグ初のオールスターゲームは、復興への思いに包まれた時間となった。輪島中学校の女子バレーボール部員たちは「めっちゃ勉強になったし、感謝しかないです」「選手みたいにもっと強くなって大会で勝ちたい。優勝したいです」「(サーブ権を与えられた時は)緊張。どうしたんかなと思いながら『サーブ打ってく?』みたいなこと言われて。今後は西田選手みたいに誰も捕れなさそうなサーブにしたい。一生の宝物」と話す。西田有志は「協力していただいてオールスターゲームや試合ができている。非常にありがたいし、せっかくなら思い出に残してほしい。自分に臆することなくチャレンジしてくれる姿を見て、非常にうれしかった」と話す。