農林水産省は前の年の1年間に牛乳の生産にかかった経費を毎年公表している。道内で去年1年間に乳牛1頭から牛乳を絞るのにかかった経費は85万2262円と一昨年に比べて6万7500円余上がり、昭和26年に統計を取り始めてから最も高くなった。経費のうち値上げ率が高かったのは光熱水費や流通飼料費で、背景には円安の進行やウクライナ情勢の影響などによる輸入飼料や燃料価格の高騰が上げられる。来年は新型コロナによる需要の落ち込みを受けて道内の生産者団体が続けてきた生産抑制が3年ぶりに解除されることから、酪農家の経営改善にどこまで繋がるか注目される。